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 「マウンティング女子」をご存じだろうか? 「私のほうが立場が上!」と言葉や態度で誇示することで、女性のリアルな生態を表す新語として注目されている。本来は、動物が背乗りになる行為のことを指すが、人間社会はより複雑だ。女同士の格付けバトルを題材にした、沢尻エリカ(28)主演のドラマもスタートした。恐ろしい女の世界をのぞいてみると-。

 「リアルホラーだった」「ドロドロして疲れたけど面白かった」

 19日の第1回放送直後からネットで大きな反響を呼んだ、沢尻エリカ主演のフジテレビ系ドラマ「ファースト・クラス」(土曜午後11時10分)。

 ファッション誌編集部を舞台に、沢尻演じる主人公のインターン編集者が奮闘する姿が描かれるが、このドラマの最大の見どころは女たちの格付けバトル「マウンティング」だ。

 《あなたたち下々の人間とは違うの》《全力で潰させてもらうわ》…。テロップで流れる生々しい「心の声」が女同士のバトルを盛り上げ、ドラマの最後には格付けランキングも発表される。

 「マウンティング」とは、動物が交尾の際に馬乗りになる行為で、動物社会では優位性を誇示するための行動とされる。それを人間社会に当てはめたのが漫画家の瀧波ユカリさん(34)だ。

 「きっかけは、友人と話していて、何かモヤッとした気持ちを覚えたこと。相手に致命傷を負わせるやり方ではないけれど、自分のほうが上だという行動は、動物のマウンティングと同じだなと考えつきました」

 瀧波さんは、今年2月に、エッセイストの犬山紙子さんとの共著で『女は笑顔で殴りあう マウンティング女子の実態』(筑摩書房)を出版。早くも3刷のヒットとなっている。

 男性読者には想像がつきにくいものだが、やりとりの一例を挙げてみると…。

 「この前、飲み会したら、Aくんからメールが来てウザイんだけど…」(私は男にモテるというマウンティング)

 「あっ、わたしもAくんから連絡あったよ。興味ないから返してないけれどね」(あなたが特別にモテてるんじゃない。私は、男に興味はないというマウンティング)

 世の「女子会」では自虐、褒め殺し、アドバイスなどさまざまな方法で、こうしたマウンティング合戦が繰り広げられているという。

 瀧波さんは「男性社会は年功序列で分かりやすいが、女性の世界では序列がないことが前提で進んでいるので、マウンティングの仕方も巧妙になる。輪を乱さないように生きているけれど、相手よりも劣っているとは思われたくない気持ちはある。抑圧された生き方の一つの発散方法ともいえます」と話す。

 自身も「マウンティストだった」と語る瀧波さんの分析は鋭い。著書では親友型、カウンセラー型、プロデューサー型などマウンティストの“種別”を紹介。「既婚女子×独身女子」などシミュレーションも紹介し、1冊読めば、赤裸々な女の本音が理解できる。

 だが、「私の方が上なんですけど」と相手を打ち負かした先に得られるのは満足感ではない。「人と比べてマウンティングで発散してばかりだと、何も状況は変わらない。後悔や罪悪感を覚え、どんどん自己評価を下げて、生き方の質が下がるだけです。やめるためにはまず『これはマウンティングだ』と自覚することが大切」と瀧波さん。

 「女って恐い」だけでは終わらない、奥深い世界が広がっているのだ。

引用:エリカ様主演のドラマでも題材に 世にも恐ろしい女同士の格付けバトル マウンティングって何? 抑圧された社会での発散法とか

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